暗渠パイプの画像

問題

土工事における切土・盛土の施工に関し、下記の1、2について、各々1つ解答欄に記述しなさい。

 

1. 切土法面の施工時における仮排水に関して,排水処理を必要とする理由と,それに対する具体的な対応策

2. 盛土に高含水比の粘性土を利用して施工する場合の留意点

 

回答

(1)法面の崩壊の原因は、表流水や地下水等の作用が原因となっている事例がかなり多い。
このため、法面作業においては、排水対策に特に注意しなければならない。
 切土の場合にも、施工中の排水に十分配慮しなければならない。それは、自然地形での表面水の流れが切土によって大きく変えられるので、必要以上の容量の排水路を計画しておかねばならない。
 施工中の仮排水路であっても施工方法が悪いと水が集まらなかったり、水路の裏側に水が回ったりして、法面崩壊の原因になるので注意が必要です。
 切土法面の施工時における仮排水に関して、排水処理を必要とする理由と、それに対する具体的な対応策を整理すると、以下のとおりとなる。

■排水処理を必要とする理由

 1.雨水・湧水の法面流下による法面表土の浸食防止

 2.地下水位の上昇・雨水の切土地山への侵入による間隙水圧の上昇、せん断強度の低下による、すべり破壊の発生防止。

■対応策
 
 1.法肩、小段、法面に適切な排水路を設け速やかに法面表面の雨水の排除を行う。

 2.切土地盤中に穴あき管、排水溝を設け、地盤中の湧水・浸透水を速やかに排除する。

 

(2)高含水比粘性土を盛土材料として使用するときは、運搬機械によるわだち掘れが盛土にできたり、こね返しにより著しく強度が低下したりする。また、施工中の盛土内に高い間隙水圧が発生して盛土が崩壊する場合があるので注意が必要である。盛土に高含水比の粘性土を利用する場合の施工上の留意点は以下のとおりである。

 
盛土に高含水比の粘性土を利用して施工する場合の留意点

 ・石灰等を添加して安定処理を行って施工する。

 ・曝気・表層排水溝の設置等により、土粒子間の含水比を低下させて施工する。

 ・地山部分のトレンチ掘削などにより自然含水比を低下させ、トラフィカビリティの改善を図る。

 ・湿地ブルドーザ等、適正な締固め機械を選択し施工する。

 ・過転圧とならないよう留意する。

 ・一層のまき出し厚を極力薄層として締固める。

 ・緩速で施工するか、盛土内に排水層(粗粒剤またはジオテキスタイル等)を設ける。

など