軟弱地盤対策の画像

問題

次に示す軟弱地盤対策工法のうちから圧密沈下の促進を目的とする工法を2つ選びなさい。また、その工法の概要及び圧密沈下が促進される原理を解答欄に簡潔に記述しなさい。

・プレローディング工法 ・深層混合処理工法 ・サンドドレーン工法
・押え盛土工法 ・盛土補強工法

 

解答

解答

軟弱地盤とは、

1.粘性土ないし有機土からなり、含水量が極めて大きい軟弱な地盤

2.砂質土からなり、ゆるい飽和状態の軟弱な地盤

である。

軟弱地盤上に盛土や構造物などを構築すると、地盤の安定性の不足や過大な沈下によって不具合を引き起こすことが多い。そのため、種々の地盤対策を行わなければならない。

軟弱地盤対策工法には種々の工法があり、それぞれ特徴を持っており、目的とする効果も異なっている。

■プレローディング工法
圧密沈下の促進、強度増加の促進

■深層混合処理工法
前沈下量の促進、せん断変形の抑制、すべり抵抗の増加

■サンドドレーン工法
圧密沈下の促進、せん断変形の抑制、強度増加の促進

■押え盛土工法
せん断変形の抑制、すべり抵抗の増加

■盛土補強工法
せん断変形の抑制、すべり抵抗の増加

圧密沈下の促進を目的とする工法は、地盤の沈下を促進して有害な残留沈下量を少なくするもので、設問に上げられている工法の中では、上記からわかるようにプレローディング工法とサンドドレーン工法が該当する。

圧密沈下とは、粘性土地盤に荷重をかけるとゆっくりと土中の水を押し出し、沈下が時間をかけて進行することをいう。沈下の原理は、間隙比という土の体積に対する土粒子間の空隙の比が、土中の水が押し出されることにより小さくなり、地盤の体積が現象して沈下がしょうじるものである。

プレローディング工法は、構造物が計画されている地盤に盛土荷重をかけ、圧密沈下の原理そのものを利用し、沈下後、盛土荷重を除去する。

サンドドレーン工法は、地盤中に適当な間隔で設置した鉛直方向の砂柱を排水の通路とし、間隙水を抜くもので、排水の通路となる砂柱を適当な間隔(正方形、正三角形の網状)に配置し、間隙水の水平方向の圧密排水距離を短くして、圧密時間を短縮させ、圧密沈下を促進させる。

1.プレローディング工法
構造物計画地盤に盛土荷重をかけ、沈下後盛土を除去する。
荷重により土中の水を抜き、土の間隙比を小さくする。

2.サンドドレーン工法
地盤中に適当な間隔に砂柱を設置し、間隙水を抜く。
水平方向の圧密排水距離を短縮させる。