問題
開削工法により掘削を行う下図の仮設構造物について,次の問題に答えなさい。
1. 土留め壁及び支保工についての目視点検項目とその確認内容について1つ解答欄に記述しなさい。
ただし、墜落等による危険防止の手すり、親綱等の保安施設に関するものは除く。
2. 掘削が進んだ段階で行なった計測管理に関し、以下の計測1、計測2の測定結果に対応
する対策工の概要を各々1つ解答欄に簡潔に記述しなさい。
ただし、安定対策としての掘削底面下の地盤改良工法は除く。
計測1:土留め壁又は支保工の応力度、変形が許容値をこえると予測された。
計測2:ボイリングに対する安定性が不足すると予測された。
解答
1. 土留め壁及び支保工についての目視点検項目と確認内容
- 部材の取付け部、接触部及び交さ部の状態
- 土留め壁と腹起しの取付け部における隙間やゆるみ
- 腹起しと切梁との取付け部のゆるみ
- 切梁と切梁の交差部における緊結の状態
- 切梁と中間杭との連結部におけるゆるみやがたつきの有無
など
2. 計測管理における測定結果に対応する対策工
計測1
- 掘削背面の地山を掘削し、土留め壁に作用する土圧を軽減する
- 排水工法により、地下水位を下げ、土留め壁に作用する水圧を軽減する
- 切梁を追加し。各切梁に作用する圧縮力の低減を図る。
計測2
- ディープウェル工法、ウェルポイント工法等により地下水位を低下させる。
- 地盤改良により、地下水の回り込みを防止する。
など
そもそも土留めはなぜ必要なの?
土留めのような仮設構造物は、その中で作業するときに土圧や水圧から守るために施工されるんだ。
地盤が崩れて生き埋めになったり、水が流れてきておぼれないようにね。
命を守るためにはぜったいに必要だね!
そうなんだ。
一般的には硬質地盤で地下水が湧いていなければ親杭横矢板工法を施工する。
親杭横矢板工法とは、まっすぐに差し込んだ親杭と親杭の間に木製の矢板をはめこんで土留め壁にする工法だ。
止水性はないので注意してね。
地下水が湧いていたり、軟弱地盤でボイリングやヒービングが発生する可能性のあるときは、鋼矢板工法を施工する。
鋼矢板工法とは凹凸のある鋼矢板をかみあわせて地盤に打込んでいき土留め壁にする工法だ。
止水性が良いのでよく用いられるよ。