ダンプへの土砂積込の画像

問題

次に示す土量計算表のとおり、A工区(切土)においてバックホウを用いて掘削し、B工区(盛土)にダンプトラックで運搬し、盛土工事を行う場合、下記に示す条件により次の(1)、(2)、(3)を求め、それぞれ解答欄に記入しなさい。
ただし、B工区の不足土量は他工事から流用するものとし、土量変化率はA工区と同一とする。

切土と盛土の土量計算表の画像

<条件>

・バックホウの算定式 (Q)=q0×K×f×E/Cm×3,600(m3/h)

・バケット平積容量 (q0)=0.6(m3)

・バケット係数 (K)=0.75

・土量換算係数 (f)

・土量変化率 (L)=1.25 (C)=0.80

・作業効率 (E)=0.75

・サイクルタイム (Cm)=30(sec)

・ダンプトラック積載容量 (v)=7.5(m3)(ほぐし容量)

(1)A工区(切土)におけるバックホウの延べ掘削作業時間を求めなさい。

(2)A工区(切土)からB工区(盛土)への運搬に使用するダンプトラックの延べ台数を求めなさい。

(3)B工区の不足土量(地山土量)を求めなさい。

 

解答

(1)100時間

A工区(切土)におけるバックホウの延べ掘削時間を求める。
バックホウの1時間当たりの作業量Q(地山土量)を求め、その値でA工区の総切土量を除すとバックホウの延べ掘削作業時間を求めることができる。
バックホウの時間当たり作業量Q(地山土量)の算定式は、設問の中にも記述してあるとおり、公式より求められる。

(Q)=q0×K×f×E/Cm×3,600(m3/h)

q0:バケットの容量 
本設問では、バックホウのバケット容量は0.6m3が与えられている。

K:バケット係数
バケット係数は、土質、切土深さ、地山高さ等により変化するが、計画の際には土の種類に応じて実績値をとりまとめたものを利用することが多い。本設問では0.75が与えられている。

f:土量換算係数
q0はほぐし土量であるため、次表に示す土量換算係数を用いて地山土量に換算しなければならない。
本設問では、L=1.25が与えられている。Qは地山土量、基準作業量q0はほぐした土量であるから、f=1/L=1/1.25である。

E:作業効率
作業効率は作業量Qに与える影響が大きいので作業量の算定に当たっては、過去の実績や経験をもとに現場の各種条件を勘案して慎重に取り扱わなければならない。
本設問では、0.75が与えられている。

Cm:サイクルタイム
バックホウのサイクルタイムは土質および土の固結状態により掘削の難易の程度に影響されることが多い。本設問では、0.75が与えられている。

以上のことから、時間当たりの作業量Qは以下のようになる。

0.6×0.75×(1/1.25)×0.75/30×3600=32.4(m3/h)

総切土量より、バックホウの延べ掘削作業時間を求める。

3,240÷32.4=100時間

(2)540台

A工区(切土)からB工区(盛土)への運搬に使用するダンプトラックの延べ台数を求める。

ダンプトラックの積載容量は、一般にほぐし土量で表されているので地山土量に変換すると、7.5/1.25=6.0m3となる。

総切土量より、ダンプトラックの延べ台数を求める。

3.240÷6.0=540台

(3)960m3

B工区の不足土量(地山土量)を求める。

B工区の盛土土量は、締固め土量のためこれを地山土量に変換した後、A工区(地山土量)の総切土量を引く。

3,360÷0.80=4,200m3となる。

4,200-3,240=960m3