問題
切土法面勾配は、土質条件、切土高等の現地状況を十分考慮し、経験的に求められた標準法面勾配とあわせて判断するが、この標準法面勾配を適用できないことがある地盤条件を二つ解答欄に簡潔に記述しなさい。
解答
自然地盤は、土質的にも極めて不均質で変化に富んでおり、しかも切土した法面は時間の経過とともに次第に不安定となっていく。
したがって、切土法面の勾配を決定するのに土質調査結果に基づく安定計算が適用できる場合はほとんどない。
現状では、法面の土質、地質、切土高、湧水、風化の程度、亀裂、成層状態、さらに降雨量、降雨時間などの気象条件を考慮して次表を参考に経験的に決めることになるが、下記の地盤条件に該当する場合は適用できないことがある。
地山の土質に対する標準法面勾配
地山の土量 | 切土高 | 購買 | |
硬岩 | 1:0.3~1:0.8 | ||
軟岩 | 1:0.5~1:1.2 | ||
砂 | 密実でない粒度分布の悪いもの | 1:1.5~ | |
砂質土 |
密実なもの | 5m以下 | 1:0.8~1:1.0 |
5~10m | 1:1.0~1:1.2 | ||
密実でないもの | 5m以下 | 1:1.0~1:1.2 | |
5~10m | 1:1.2~1:1.5 | ||
砂利または岩塊混り砂質土 |
密実なもの、または粒度分布の良いもの | 10m以下 | 1:0.8~1:1.0 |
10~15m | 1:1.0~1:1.2 | ||
密実でないもの、または粒度分布の悪いもの | 10m以下 | 1:1.0~1:1.2 | |
5~10m | 1:1.2~1:1.5 | ||
粘性土 | 10m以下 | 1:0.8~1:1.2 | |
岩塊または玉石混りの粘性土 | 5m以下 | 1:1.0~1:1.2 | |
5~10m | 1:1.2~1:1.5 |
■標準法面勾配が適用できない条件
・崩積土、強風化傾斜の場合
・砂質土等、特に浸食に弱い土質の場合
・泥岩、蛇紋岩等の風化が速度が早い岩の場合
・割れ目が多い岩の場合
・割れ目が流れ盤の場合
・長大法面となる場合
・地下水が多い場合